僕一人じゃ満たされぬ想い

後ろを振り返れば苦しいことも悲しいことも沢山あった。無知なところに漬け込まれたり、感情のままにぶつけられたり、自分の力ではどうすることもできなかった真実たち。
捨てることなんかできないってわかってた。それでも私は私なんだと思うしかなかった。今もこの胸にそのかけら達はいる。時々出てきて傷をつけたりするけど、それでも共生していくしかない。誰かに知ってもらおうだなんて厚かましくてできなかった。言ってしまったらきっとこの闇を背負わせてしまう。私はそれに甘えてしまう。

けれど君はいつのまにかその心の闇の見える場所まできてくれていた。なんでもないみたいな顔をして。無理にこじあけることなく、そっと撫で続けてくれる君の手が本当に優しくて暖かくて、自分の冷たく凍った心を溶かしてくれるのを感じるの。

あの日、君がほっとかないでただ寄り添っていてくれたあの日。私はどれだけ遠く離れた地にいても全力でこの人の力になっていこうと心に誓ったのだけど、その気持ちはより濃くより深いものになっているよ。

君と出会えてよかった。