この子がいたから。

実家で飼っていた犬が亡くなった。
少し前、実家の犬の身体を洗った時に左首の辺りにものすごくでかい腫瘍を見つけた。全然気付かなくて、そういえばそれまで身体を撫でる時いつもこっちを庇う様にしてて右側ばかり撫でてたと思い当たったのだった。
もう既に手遅れでした。日を追うごとに息が荒くなっていき、だんだん立ち上がることも難しくなっていく。ただ撫でるしかできないのに、優しい目は相変わらずで。
高校の入学と同時に千葉から静岡に戻って周りとうまく馴染むことができずにいた時に親がもらってきた犬で、すごく嬉しくて私が名前をつけた。学校から帰ってから、休日は朝から、毎回2時間近くも散歩に行った。実家を出てからはあまりマメに散歩はできなかったけれど。あんなに大きな腫瘍があったのに、なぜ気がつかなかったんだろう。
今日はみんなが集まったので、みんなでパルさんを洗った。もう立つことも難しくなっていてお尻の辺りがすごく汚れていたので。その辺だけでもと思い。
気持ちよさそうにうっとりとしていた。乾かしている最中、頭を撫でていた私を見上げてきた。あー久し振りにこういう顔みたなーと思った。
移動させようとみんなが揃った時に、本当に眠ったかのように呼吸をしなくなった。体温を感じていようと撫で続けていたらいきなり息を吹き返した時は腰を抜かしたけど、5,6回大きく息を吸ったらまた身動きをしなくなってしまった。
うちに来たのは年明けの1/27でその頃生後一ヶ月くらいだったから、丸12年。ずっとあたり前のようにそこにいたのに、もう会えないんだなー。それが本当に寂しい。