「あなたなら絶対わかってくれる」と彼女は言った。

うんうん。と頷きながら、私は背筋を伸ばした。
確かに彼女の気持ちがわかるのは彼女の近くでは私くらいのもんだろう。だからこそ、わかったようなふりで傍らであぐらをかくようなこと、絶対したらいけない。驕りはきっと彼女を傷つけるから。
似たような山でも私の山と彼女の山は違う、それを意識して、彼女の考え方や状況を考えた上で言葉を選びたい。